東北紀行 (23頁)
東北地方の主に内陸部の土地々の観光、温泉、歴史を巡ってます。
( 「日本周遊紀行」の続編)
平成年22年(2010年)10月秋季
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 東北紀行(44)花巻 「大沢温泉の客人」





  大沢温泉の大露天風呂「大沢の湯」



露天風呂に浸かりながら・・!  、

すぐ横に浸かっている御老体(失礼ながら・・、小生も)に、橋の上を行き交う人を見ながら、何気なく話しかけてみた。

いやー、最高ですね。 そんでも、ここは橋やら上(菊水館)の部屋から丸見えですね。」
何事も自然が一番すよ、 見られても別に減るもんでもないしね・・!、でも、女性の方はどうなんですかね・・?」
ごもっともですね

と淡々としたもんであった。 
野暮なことを聞いたもんだなと、妙な気持ちになった。


客人は東京在住の職人で、ここの温泉が気に入って数回来ているという。 
新幹線で来るとすぐだからね。 ただ今回が最後になるかもしれない」という。 
仕事は若いもんに譲って、実家の長崎県島原(現、南島原市深江町)に帰るという。 

実家は雲仙普賢岳の噴火(1991年:平成3年6月3日の大火砕流で人命、生活環境の大災害)でかなりの影響があり、周辺の家々はほとんどやられたといっていたが、御自身の家は高台に在ったため破壊は逃れたという。 


小生も「日本一周の旅」で島原を訪れたおり、その惨状は目の当たりにしている。

小生のホームページ
日本周遊紀行」 http://outdoor.geocities.jp/n_issyuu2005/
九州・島原」 http://outdoor.geocities.jp/n_issyuu2005/nn-12.HTM



他の入浴客も混じって、温泉に浸かりながら各地の名物温泉の話、郷土の四方山話など、このついつい長話になってしまった。


多数の浴槽を持つ大沢温泉であり、出来れば全部の浴槽を制覇したかったが、時間の都合で大露天風呂のみの入浴のみとなってしまったのは残念であった。 
この後、秋田の乳頭温泉(鶴の湯)まで行かねばならないのである。

泉質についてはアルカリ性単純温泉ということで無色透明、無味無臭であり、特に、特徴ある、個性のある泉質は有していないようではある。 
温泉の管理人も、単純泉というのはいろいろな成分が僅かずつ溶け込んではいるが、その中で突出した成分は含まれてはいないともいっている。
温泉効果はともかくも、これだけの自然の中で雰囲気を堪能すれば、癒し効果は充分である。


大沢温泉といえば、名物露天風呂の「大沢の湯」が大変に有名らしいが、長い歴史の中で多くの人に認められて来たからこそで、現在の知名度があるのだろう。 
その本当の素晴らしさを知るには、やはり自炊部棟に宿泊して温泉を堪能するのが最適なのは云うまでもない。
歴史的にも、先日訪れた「岳温泉」同様、平安時代初期に坂上田村麻呂が発見したと伝えられてるという。

江戸時代には歴代の南部藩主も利用したといわれ、また、宮沢賢治、高村光太郎らの文人もよく利用したという。

賢治は農学校の教員時代に生徒を連れて訪れたこともあったらしく、又、光太郎はこの温泉を「本当の温泉の味がする」と評したともいう。

次回、「花巻温泉郷



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 東北紀行(45)花巻 「花巻温泉郷」  ,


 

 大沢温泉の全容と川を渡った離れにある情緒たっぷりの「菊水館」



少年の頃、宮沢賢治は信仰心の厚い父に連れられ花巻仏教会の講習会場だった「大沢温泉」に何度となく訪れていて、学生時代には悪ふざけをして湯を汲み上げる水車を止めてしまい、風呂場が大騒ぎになったという逸話も残っているという。

又、岳温泉の項でも紹介したが、昭和20年空襲で東京のアトリエを焼失した光太郎は、賢治の父を頼り、弟の家に一時厄介になるが、やがて花巻郊外の山口地区に庵を結び、以後7年間過ごすことになる。 
そして、この地は大沢温泉へも5〜6km足らずのところでもあり、のんびり歩いても行けるところである。


光太郎は花巻を愛し、大沢温泉を日常的に利用していたとも思われ、「この大沢こそ本当の温泉の昧がする」と喜んでいたのである。
尚、延暦年間(約1200年前)に、征夷大将軍・坂上田村麻呂が陸奥の国に遠征の際、この地に赴き(花巻の南、現、奥州市の胆沢城に本拠を置いていたとされる)、合戦の際、蝦夷軍の毒矢に負傷したが、大沢の湯に入浴してほどなく傷が癒えたという伝説もある。

 


ところで、岩手県の花巻温泉というと、普通、温泉一帯つまり花巻温泉郷を指している。
温泉郷」というのは、普通、限定された地域に温泉が各地に湧出し、その地に温泉街や数件の温泉宿を有する地又は一軒宿の温泉名を有する地を云っている。 
ただ、温泉郷という呼び名は正式な名称ではなく、観光ガイドなどに用いられる営業用の表現らしい。 
昔は、箱根七湯とか別府十湯の様に名数で表したのが主流であったとか。 
ただ、花巻温泉郷には実際に「花巻温泉」という名称が一部地域にある。


花巻温泉郷は、花巻市街地の西部(国道や鉄道の西側)に位置する温泉の総称であり、豊沢川沿いに先ず八湯が存在する。 松倉温泉、志戸平温泉、渡り温泉、山の神温泉、高倉山温泉、鉛温泉、新鉛温泉それに大沢温泉と個性豊かな一軒宿が点在し、その名も花巻南温泉郷と称している。

一方、花巻市街地のすぐ西側には花巻温泉、台温泉と新湯本温泉、金矢温泉などが存在する。
その名も「花巻温泉」は山間に近代的な豪華なホテルなどが数軒並び、旅行会社や団体客向けに利用されているようだ。 一方、台温泉は台川沿いの谷間に約20件の鄙びた旅館がひしめくように建っている。
何れにしても花巻温泉郷は歴史ある鄙びた一軒宿の温泉から豪華ホテルまで、特色ある温泉地が点在しているところが良い。

次回、「錦秋の岩手路




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