東北紀行 (48頁)
東北地方の主に内陸部の土地々の観光、温泉、歴史を巡ってます。
( 「日本周遊紀行」の続編)
平成年22年(2010年)10月秋季
福島県⇒宮城⇒岩手県秋田県⇒山形


祝い・・!!、東北・平泉地方の歴史敵文化が2011年6月、
「世界文化遺産」に登録されました。


東北紀行2010


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 東北紀行(93)蔵王 「蔵王エコーライン」 ,



 
 蔵王エコーラインの紅葉風景


坊平から先はかなりジグザグの急な上りである。
深い森林帯から低木林になり、やがてほぼ草原または高山性の潅木帯、山岳地へと変化してゆく。 

今日は風も無く、空には白い秋らしい雲がところどころに浮かぶ程度の絶好の行楽日和である。
“霧のお釜“とも称される蔵王名物の噴火口も、スッキリと見渡せるようで期待が高まる。
見通しの良くなった山岳ハイウェイをしばらく進むうちに、蔵王の最高所であろう連峰群が見通せるようになってきた。



一時して、広い駐車場と建物があり、そこから頂上へ延びるリフトが敷かれている。 
ここでチョット思案ししたが、詳細地図を見るとこの先、刈田岳頂上付近まで連なる「蔵王ハイライン」なるものが付いているので車を進めてみた。 
山頂ラインはどうやら有料道路のようで往復520円としてあった。
一旦戻って、付近を結ったり見物しながら上れるリフトに乗ることにした。


 
 お釜へ向けた「リフト」、”これより山形県・・?”


 
 お釜周辺の概略図


駐車中の車は数台、紅葉シーズンにしては観光客のこちらへの人出は少ない。 
聞くところ、蔵王のエコーラインやお釜見物へくるお客さんは山形側より、どちらかといえば宮城、仙台本面からの人手が多いといわれる。 
尤もで、大都市の仙台や福島を控え、至近には東北道という主要幹線が南北に貫いているのである。 
更に、宮城蔵王側にはスキー場や道中各地に特色ある温泉もあり、景勝地としての見所も多そうである。


リフトはスキーの際の乗降ですっかり慣れ親しんでいるが、係員の懇切丁寧な扱いにはやや苦笑ものであったが、ともかく素直に従う。 
通称、「お釜リフト」とも言われているらしい。

リフトは殆ど地上擦れ擦れををゆっくりゆっくり進む。 途中、“これより山形県“という表示板が立っていた。 

”これは異なこと・・? ”

元より、お釜が宮城県側に存在していることは既に知っていた。 
そして当然のこと、この辺りは既に宮城県か、或はリフトが進むに従って隣県である宮城へ移行するものと思っていたが、意外であった。

その後、国土地理院の詳細図を確かめたところ、この付近の山形県の県境が東へ鋭角に突き出ている地点になっている。
リフトの乗り場は宮城県側になっていて、中間地点でこの鋭角部分の内側、つまり山形県側へ一端入り込むようにり、そして終点の150mくらい先で再び宮城県側に入り込むようになっているのである。

次回、蔵王の「お釜



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 東北紀行(94)蔵王 「蔵王のお釜」  ,



 
 リフトから「お釜」へのルート


 

 
 エメラルドグリーンの湖水を抱く噴火口の「お釜」




リフトからの眺めは絶景で、周囲は既に見通しの良い高原風の大地が波打っている。

すっかり葉を落とした枯れ枝に赤い実を付けたナナカマドの低木や這い松、そして今や枯葉色となった高山植物群などが見て取れる。 

やはり高山植物の濃い緑と多彩な花々に出会うのは初夏や真夏のシーズンも良さそうである。
いよいよお釜の内輪山(外輪山・・?)と思しき稜線が迫ってくる、「馬の背」というらしいが。 

リフトを下りるとコンクリート舗装された一本の道が稜線まで延びていて、更に天然の歩道を下ってゆくと果たして巨大な火口とともにエメラルドグリーンの円形の湖が姿を現した。   


前述したが、 “霧のお釜“とも呼ばれるように、大方に日はガスに閉ざされているらしいが、今日は絶好の日和で河口の底の石ころまで見えそうである。

湖水は天気や日差しによって見た時の色が、エメラルドグリーンだったり青色だったりコバルト色だったりと変わるので、別名「五色沼」とも呼ばれているようだ。

湖水の周囲はドス黒く噴火の激しかった当時を連想されるが、周囲は灰白色の火山灰で覆われ、雨水の流れた筋目らしいものが幾重にも並んでいて、妙な模様を描き出している。 

河口の右手は荒涼としたX字峡谷を成していて、西側へ大きく切れ落ちている。 
大雨の時などには火山灰と共に泥流を引き起こすこともあるらしい。



全国の火山湖でも似たような形状をしているところもあるが、「お釜」(御釜)と名の付くところはここだけらしく、蔵王の代名詞にもなっている。
名前の由来は、火口が釜状であり水を張った釜に底からマグマの熱で熱くなるなのことから「御釜」という名前が付いたのであろう。



お釜は刈田岳・熊野岳・五色岳の三峰に抱かれた円型の火口湖で、勿論、火山性の湖なので強酸性であり魚は住んでいないであろう。 

過去に20回以上噴火を繰返しているというが、近年では、明治28年に大噴火したそうで、その後、小噴火や蒸気噴出など数回を数え、原型を今に残している。 
現在も湖底に何箇所かの気孔が存在し、火山ガスの継続した噴出が続いているのが確認でき、即ち完全な活火山でもある。


昭和43年の測深によると最大深度27.6m、平均深度17.8m、周囲1,080m、東西径325m、南北径335mという広さである。
湖の水は強い酸性のため生物は生息せず、水温は表面から10数メートルの深度で摂氏2度まで下がり、その深度を増すと温度が高くなるという“特殊双温水層”(深さによって温度が異なる)となる世界でも例のない湖だそうである。

流れ出る湖水は宮城県側のエコーラインに並行して流れる濁川の源流でもあり、名前を変えながら阿武隈川となって太平洋側に注いでいる。

次回、「蔵王権現




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